2006年 08月 07日
法学概論期末試験問2について |
問2の採点がやっと終わった。問2は、1と違って論点の取り間違えということは、基本的にないので、ある程度良いものが書けているのではないかという期待があったが、残念ながらそうではなかった。
講義中にも述べたことですが、講義最後の2,3週間分は、ロースクール進学希望者のための説明会ではありません。日本の法学教育や法曹養成制度にどのような問題点があるのか、原因は何か、それらに対してどのような対策を立てたか、を検討するものだったのですから、答案もその点に言及することが必須です。
従って、単なる法学部や司法制度の現状批判を行った後に、ロースクール制度を説明し「大きな期待が寄せられている」と結ぶだけでは点数になりません。優れた答案となるには、問題点の指摘→原因説明→解決策→解決策の妥当性の検証、という文章の流れが必要ですし、制度の説明にしても、背景をふまえていなければ不十分です。
例えば、ロースクールには、既習者コースと未習者コースがあります、と書く人がいましたが、それだけでは加点されません。既習者コースは、主として法学部卒で十分な学力を備えた人のためのコースだが、じゃあなぜそんな人までロースクールに行くのか。このことを私は講義で、二重の法学教育というキーワードで説明しています。
あと、点数が伸び悩んだ人の中で多かったのは、「司法試験予備校に通い詰めたために、暗記ばかり出来て応用力のない法曹が増加した」という、それ自体極めて「暗記重視」の回答である。予備校のマニュアル思考を、マニュアル通りに批判したために、個別に正しいことが書かれていても、全体が見通せていないということで、加点しませんでした。
現状批判とロースクールの説明について、あれもこれも、と文章をだらだら長くしただけでは、作文として完成されているとは言えません。なんか書いとけば単位もらえるだろう、ではダメです。重要なことを、すっきりわかりやすく書けると言うことは、その学生の理解が十分なレベルに達していることの一番の目印です。今後の参考にして下さい。
講義中にも述べたことですが、講義最後の2,3週間分は、ロースクール進学希望者のための説明会ではありません。日本の法学教育や法曹養成制度にどのような問題点があるのか、原因は何か、それらに対してどのような対策を立てたか、を検討するものだったのですから、答案もその点に言及することが必須です。
従って、単なる法学部や司法制度の現状批判を行った後に、ロースクール制度を説明し「大きな期待が寄せられている」と結ぶだけでは点数になりません。優れた答案となるには、問題点の指摘→原因説明→解決策→解決策の妥当性の検証、という文章の流れが必要ですし、制度の説明にしても、背景をふまえていなければ不十分です。
例えば、ロースクールには、既習者コースと未習者コースがあります、と書く人がいましたが、それだけでは加点されません。既習者コースは、主として法学部卒で十分な学力を備えた人のためのコースだが、じゃあなぜそんな人までロースクールに行くのか。このことを私は講義で、二重の法学教育というキーワードで説明しています。
あと、点数が伸び悩んだ人の中で多かったのは、「司法試験予備校に通い詰めたために、暗記ばかり出来て応用力のない法曹が増加した」という、それ自体極めて「暗記重視」の回答である。予備校のマニュアル思考を、マニュアル通りに批判したために、個別に正しいことが書かれていても、全体が見通せていないということで、加点しませんでした。
現状批判とロースクールの説明について、あれもこれも、と文章をだらだら長くしただけでは、作文として完成されているとは言えません。なんか書いとけば単位もらえるだろう、ではダメです。重要なことを、すっきりわかりやすく書けると言うことは、その学生の理解が十分なレベルに達していることの一番の目印です。今後の参考にして下さい。
by eastriver46
| 2006-08-07 19:45
| 英米法関係