2007年 10月 11日
日本法の講義に出る |
4日からレヴィン先生の日本法の講義に出ている。4日はLaw Newsといって、報告者が、日本法や日本社会に関する新聞記事(英字新聞)を集めてきて、それぞれ解説とコメント付け加える回だった。最高裁判決の紹介のときに、最高裁判事の経歴の話になって、レヴィン先生は、判事の経歴がみんな似たり寄ったりであることを指摘した。
経歴の確認をしているときに、中川了滋裁判官の出身はどこでしょう、ということになって(他は東大京大がほとんど)、回答を私に振ってきたので、もちろんKanazawa Universityと答えた。レヴィン先生は、写真といい経歴といい、Justice Nakagawaは他の裁判官と違っていて好感が持てるとコメントしていた。先生はお堅いタイプが苦手らしい。
それにしても、日本法の専門家で、北海道大学法学部で専任の助教授として在籍したこともあるレヴィン先生の知識は、非常に豊かで、また正確である。素材も、いろいろと面白いものを探してきていて、とても感心した。私はアメリカ法の専門家ということになっているのだが、レヴィン先生のレベルに達しているか怪しいものである。
それでも、こちらの学生は、比較法の講義は今回が初めて。対する私は10年以上、日本法とアメリカ法を行ったり来たりして勉強しているから、少しはいろんなことがわかってきた。日本の民事訴訟に時間がかかる要因は何かという話のときに、あれこれ議論がでて、先生がそれにコメントをつけるのだが、なかなか先生の期待する答えが出なかった。
先生は私に振ってきたので、私はNo jury(陪審が利用できないこと)と答えた。陪審裁判だと陪審員を長期間拘束できないので、事前準備を徹底的にして最終的に残った争点のみを陪審を集めて一気に審理する。徹底的に事前準備を行うために証拠開示が発達したし、証拠開示の結果によっては和解が選択される。こうした流れは陪審を前提にしてできたものである。
私の答えがレヴィン先生が期待していた正解だったので、学生は「やるやんけ、この日本人」という表情をしていた。中川了滋裁判官のおかげで上昇した金沢大学の評判は、今のところ、まだ高いままである。
なお、日本の訴訟が本当に時間がかかっているかどうかについては、Ramseyerの興味深い主張「日本はスピード狂でものろまでもない」もあって、はっきりしない。次回はHaleyとRamseyerの議論をする予定。
経歴の確認をしているときに、中川了滋裁判官の出身はどこでしょう、ということになって(他は東大京大がほとんど)、回答を私に振ってきたので、もちろんKanazawa Universityと答えた。レヴィン先生は、写真といい経歴といい、Justice Nakagawaは他の裁判官と違っていて好感が持てるとコメントしていた。先生はお堅いタイプが苦手らしい。
それにしても、日本法の専門家で、北海道大学法学部で専任の助教授として在籍したこともあるレヴィン先生の知識は、非常に豊かで、また正確である。素材も、いろいろと面白いものを探してきていて、とても感心した。私はアメリカ法の専門家ということになっているのだが、レヴィン先生のレベルに達しているか怪しいものである。
それでも、こちらの学生は、比較法の講義は今回が初めて。対する私は10年以上、日本法とアメリカ法を行ったり来たりして勉強しているから、少しはいろんなことがわかってきた。日本の民事訴訟に時間がかかる要因は何かという話のときに、あれこれ議論がでて、先生がそれにコメントをつけるのだが、なかなか先生の期待する答えが出なかった。
先生は私に振ってきたので、私はNo jury(陪審が利用できないこと)と答えた。陪審裁判だと陪審員を長期間拘束できないので、事前準備を徹底的にして最終的に残った争点のみを陪審を集めて一気に審理する。徹底的に事前準備を行うために証拠開示が発達したし、証拠開示の結果によっては和解が選択される。こうした流れは陪審を前提にしてできたものである。
私の答えがレヴィン先生が期待していた正解だったので、学生は「やるやんけ、この日本人」という表情をしていた。中川了滋裁判官のおかげで上昇した金沢大学の評判は、今のところ、まだ高いままである。
なお、日本の訴訟が本当に時間がかかっているかどうかについては、Ramseyerの興味深い主張「日本はスピード狂でものろまでもない」もあって、はっきりしない。次回はHaleyとRamseyerの議論をする予定。
by eastriver46
| 2007-10-11 23:00
| 英米法関係