2010年 07月 31日
腰パン騒動 |
冬期オリンピックで日本代表選手の服装が問題となって以来、日本でも注目を集めるようになった腰パン問題。ズボンをずり下げて下着を見せる格好はだらしないと言うことで、アメリカではかなり前から問題になっていた。
私の外国法の講義では、総論のラスト3回分くらいを、毎年違ったテーマでやっているが、今年は、目的は正当だが効果が対象となるグループによって異なる法律を取り上げ、その中でこの腰パン問題を取り上げた。
というのも、腰パンを規制する法律ができた場合、腰パンが黒人のファッションに由来することもあって、規制法の影響を受けるのは黒人に偏ることになるからである。しかし、腰パンが「俺は黒人なんだ」という人種的アイデンティティと結びついている場合、規制法は、差別立法という色彩を帯びることになる。
7月30日の最終講義では、校則として規制する場合は原則として合憲となる(例えばBivens v. Albuquerque Public School, 899 F.Supp. 556 (D.N.M. 1995))一方で、一般市民を対象とした場合は、憲法違反と判断された事例がある(2008年のフロリダ州の事例)ことを紹介した。
この講義の直後に配信されたのが、この記事。ニューヨークのブロンクスで、裁判官が、腰パンはひどいファッションだけども違法ではないとして、ズボンをずり下げてはいていた成年に対して警察官が違反切符をきろうとしたことについて待ったをかけた。
記事を見ると、fashion policeと書いてあるので、一定の種類の服装について禁止する規定があるのかもしれない。日本では軽犯罪法1条20号が、尻や腿などを不愉快な方法で露出することを禁じているが、これに近い規定であろう。
規制派の運動が収まる気配はなく、事件の起こったニューヨークは、エリック・アダムズ上院議員が、規制運動を積極的に展開していることでも知られる。一方若者の腰パンもいっこうに減る気配はないらしい。今後も要注目である。
私の外国法の講義では、総論のラスト3回分くらいを、毎年違ったテーマでやっているが、今年は、目的は正当だが効果が対象となるグループによって異なる法律を取り上げ、その中でこの腰パン問題を取り上げた。
というのも、腰パンを規制する法律ができた場合、腰パンが黒人のファッションに由来することもあって、規制法の影響を受けるのは黒人に偏ることになるからである。しかし、腰パンが「俺は黒人なんだ」という人種的アイデンティティと結びついている場合、規制法は、差別立法という色彩を帯びることになる。
7月30日の最終講義では、校則として規制する場合は原則として合憲となる(例えばBivens v. Albuquerque Public School, 899 F.Supp. 556 (D.N.M. 1995))一方で、一般市民を対象とした場合は、憲法違反と判断された事例がある(2008年のフロリダ州の事例)ことを紹介した。
この講義の直後に配信されたのが、この記事。ニューヨークのブロンクスで、裁判官が、腰パンはひどいファッションだけども違法ではないとして、ズボンをずり下げてはいていた成年に対して警察官が違反切符をきろうとしたことについて待ったをかけた。
記事を見ると、fashion policeと書いてあるので、一定の種類の服装について禁止する規定があるのかもしれない。日本では軽犯罪法1条20号が、尻や腿などを不愉快な方法で露出することを禁じているが、これに近い規定であろう。
規制派の運動が収まる気配はなく、事件の起こったニューヨークは、エリック・アダムズ上院議員が、規制運動を積極的に展開していることでも知られる。一方若者の腰パンもいっこうに減る気配はないらしい。今後も要注目である。
by eastriver46
| 2010-07-31 23:58
| 英米法関係